日本的なものを超えて [3]

    [平和を愛する世界人として・文鮮明師自叙伝と天聖経]

 

 100年、200年・・・1000年先の未来を見据えた文鮮明師の世界平和へのビィジョンは、第七章に熱く語られています。

 その中でも日本にとって重大な事案が日韓トンネルプロジェクト」です。もしこれが実現されれば日本、韓国のみならず、アジア圏に莫大な経済効果をもたらすことは、世界の投資家たちも関心をもって見ています。それだけではなく安全保障問題から見ても、重大な意味をもっているのです。

 

 今、アジア圏内で最も懸念されているのは中国の脅威です。国際情勢に詳しい方ならご存じだとお思います。日本は海に囲まれた島国です。海外からの輸送物質の重要なルートとなっている南シナ海台湾海峡は、今非常に緊迫した状況に置かれています。

有事の際、それらシーレーンが封鎖されれば、日本は一週間もたずして陥落するといわれています。島国日本が海外との輸送手段のためにも、大陸と続くインフラを整えていくことは、日本の生命線を作ることでもあるのです。

 

 文鮮明師はこうした世界的規模のプロジェクトから、小さな貧しい発展途上国の人たちの貧困と飢餓に苦しむ人たちに、生きるための食料、医薬品、教育機関の充実、文化事業など先進国においては正しい「性」のあり方、倫理道徳の指導などその国や民族に応じた指導をしてこられました。その撒かれた「平和の種」は、日本の信徒たちによる貴い精誠の献金が、しっかりとその地に根づき成長し続けています。

 

 さらに文鮮明師は1960年代~70年代、日本にも共産主義思想が若者の間に浸透していき、共産党が勢力を広めていったとき、国際勝共連合という政治団体を作り、直接的、間接的に指導され日本の共産化を防いできました。

しかし今な尚、共産主義思想はさまざまに形を変えて政界、財界、メディア、マスコミ、地域のコミュニティなど、生活のあらゆるところに静かに浸透し続けています。

 

 長年に亘って共産党と闘ってきた家庭連合(旧統一教会を、「悪」のターゲットとして叩き潰すことに躍起となっていますが、正義という美名に隠れたプロパガンダに煽られたこの「空気」は、一度大きな「風」に乗せられてしまえば、もはや人間の力ではコントロールできなくなるのです。

 

 北海道にはロシア沖縄・九州には中国中央は北朝鮮いづれも核保有国であり、全体主義国に囲まれているのです。彼らはこれまで親密だったアメリカと日本の分断、韓国と日本を対立させ孤立化を狙っています。

有事は突然やってきます。そして瞬間で起こるのです。彼らにとって国際条約はあっても無いに等しいのです。

 

 それが如実に現れたのが1950年6月25日、第二次世界大戦後に定められた38度線を越えて、朝鮮人民共和国(北朝鮮)軍が、大韓民国(韓国)に侵攻した朝鮮戦争ですこの紛争は朝鮮半島のだけの問題ではありません。韓国軍にアメリカを主とする16ヵ国の国連軍と、北朝鮮には中国が参戦、ロシアの支援による世界大戦です。

 先の大戦によって分断されたドイツ、ベトナムはすでに民族の統一がなされましたが、今だ韓国と北朝鮮は戦争状態にあるのです。今は単に休戦しているに過ぎません。

 最後の残されたこの民族が統一されてこそ、本当の意味の世界戦争の終結といえるのです。

韓国、日本、アメリカが世界平和の鍵を握っているといっても過言ではありません。

 

 アジアの安全保障を保持するため、この三か国の連携は何としても維持していかなければなりません。しかし韓国とは長期に渡り歴史的遺恨が根強く残っています。

 

 前述しましたように、自叙伝には日本植民地時代のことも色濃く書かれています。それは自虐史観を押し付けるためではありません。両国が反目しあうことに何のメリット、デメリットがあるのか、冷静に、客観的に考えていかなければ、民主主義国家の未来はないと思います。またそれは1965年6月22日の「日韓基本条約によって解決していることだから今更・・・といわれるかも知れません。国家間の約束としてそれは正しいと思います。

しかしそれでも解決できない問題があるとすれば、どうしたらよいのでしょうか?

 

 日本人も韓国人も変わるしかありません。自叙伝46ページ「牛を愛せば牛が見える」に、苦手な牛に愛情が生まれるまでのお話ですが、『人間も大きな志の前で牛と同じでなければならないと考えました。愚直に時を待てば良いことに出会うこともあるのですとあります。少し話はずれますが、この言葉で直ぐに思い浮かんだものがあります。

 

 いづれの方も既に故人となられましたが、バイオテクノロジーの世界的権威者ともいわれる💛筑波大学名誉教授・村上一雄氏の著著「アホは神の望み・素直で正直、器が大きなアホであれ!」[Stay Honest,Stay Foolish!](サンマーク文庫)、また💛アップルコンピューターの創始者スティーブ・ジョブズも、幾度もの挫折を乗り越え、波乱に満ちたの人生の中で、スタンフォード大学で行った卒業祝賀スピーチ、[Stay hungry,stay foolish!]「ハングリーであれ、愚かであれ!」は感動的でインターネットで世界中に広がりました。

 文鮮明師は宗教家として、村上一雄氏は科学者として、スティーブ・ジョブズは事業家として、それぞれ立場は違いますが、目にはみえないけれど、自分が無い💛「無我の境地」に働きかける究極的なパワーをもった存在が ‟在る”ということを感知していたのです。

 

 話をもとに戻します。光線によって色が変化するように、欠点も角度を変えて見れば長所になることもあります。日本人としての痛みはありますが、先人たちの残した負の遺産にも目を向けることは、自分自身のアイデンティティを見つめ直す大切な教材でもあります。「知る」ことで変えられることがたくさんあるからです。

 

 ドイツの政治家、オットー・フォン・ビスマルクの有名な言葉「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」と、過去、現代、未来は一本の縦軸です。過去は変えられませんが、現在と未来は変えられます。他者を変えることは難しいことですが、自分を変えることは努力次第でできます。

 

 日本人、韓国人、アメリカ等々、全ての垣根を取り払い、共通の分母(神霊と真理)を持った世界人として未来に向けて歩み出していかれることを、文鮮明師は天上の世界でも祈り続けられています。

 

 ありがとうございました。

 

 

   ☆☆☆心と体の平和☆☆☆

 人類は平和の世界を願っていますが、数千万年たっても平和になっていません。堕落人間ではできないのです。平和の主人とは誰でしょうか。家庭が平和になるには、平和の主人である父と母が平和の原因と平和の内容、生活方法を教えなければなりません。その前には、永遠の平和を見い出すことはできません。

 人類の先祖は、平和を実現しましたか。アダムとエバは恩讐になりました。その恩讐の血統を受けた皆さんは、心と体の間に闘いが起こっています。心と体がなぜ闘うようになったでしょうか。心と体が闘うようになったのは、平和の本現地を失ったか、破壊されたためです。心と体の平和の基準を見い出せない人々が、平和をどうして探し出すことができますか。闘う人は、家庭から追い出され、国家と世界から追い出されるようになります。今日、人類全体が、心と体が闘っているのに、天国に行くことができますか。いくら修行しても行けません。ですから、宗教の目的は、心と体を統一するところにあるのです。

 

   ☆☆☆心と体の闘争☆☆☆

 心と体の闘いは、核実験よりもっと恐ろしい戦争です。その戦争には休戦もありますが、ここには休戦もなく終戦もありません。私たちの人生がこの地上に存続し始めた日から終わる日まで、私たちの心の底では休戦もなく、戦争が続けられているのです。このような人々が家庭を形成し、氏族を形成したので、一層闘うようになり、このような民族と民族が合わさったので、もっと闘うようになり、国家と国家が闘うようになりました。今までの人類歴史は、戦争につながった歴史でした。一日として戦争のやむ日はありませんでした。その戦いの根拠地は、心と体です。心と体が闘いの根拠地となって、個人、家庭、氏族、民族、国家がそのようになったのです。

              【天聖経・第二章 平和はどのようになされるか】より